正直どこかで諦めてた。
遅い人は、4月に入ってから電話が掛かってくるなんていう話を
聞いてはいたけど、期待すればするほど採用の話が遠ざかって行きそうだったから。
今回の件で、口約束なんて当てにならないことはよく分かったし、
そういった意味では若干人間不信みたいな感情が沸き始めてた。
大阪帰ってきて、早速いつもの日常に戻ったわけ。
昼ドラを見てからはのんびりして、風呂掃除の日だったから
風呂掃除を始めようといろいろと作業をしていた。
浴室に籠もっていたら母さんから「電話掛かってきてるよ」と
言われたけど、どーせメールとかと勘違いしてるんじゃないかと思いつつ
確認してみたら、なんとK古先生からの電話だった。
何があったのかよく分からなかったけどとりあえず出る。
「履歴書を持って来なさい」と言われた。
声色や会話の内容からして急いでる感じだったから、ウチも急いだ。
そう、どうやら先生が働き口を見つけてくれたみたいだった。
履歴書持ってこいとは言われても、全く用意してなかったから
正直焦った。でも、ついこないだ講師登録をする際に書いた履歴書の
コピーを何かに使えるかと思って保存しておいたんだ。
早速そのコピーを元に30分ほどで履歴書を完成させた。
この履歴書に書かれている内容は、高校時代のことだったりするわけであって、
正直まさか母校の職員が目を通すだろうとなんか考えもせんと
書いたものだったからカナリ恥ずかしかった。
でも、今はそんなこと言ってる場合じゃないと思った。とにかく完成させたらすぐさま
むこうに向かった。
K古先生と少し話をして、履歴書を預かって貰った。
そんでもってその履歴書は教頭先生の手に渡った。
ありがたいことに、今の教頭先生はある程度関わりのある先生だったから安心できた。
教頭先生にも一言挨拶をして、学校を出てきた。
家に帰ってきてからは、家に帰ってきてからは2人の先生から
電話が掛かってきた。
まず初めに、T中先生からだった。
何事かと思ったら、ウチがこの学校の採用試験?を受けるという話を
聞きつけて、それで気にしてくれたみたいで。
ウチがどういう流れでこういう話に至ったのかって説明してたら
「なんだ、嬉しそうじゃないな」と声色から察してくれたわけ。
本当は嬉しいんだよ。誰よりも喜ぶべき出来事なんだから。
でも、やっぱり、声を掛けて貰ったからと言って、まだその時点で
喜ぶのは早いし、それに、それ以外にも喜べない理由がある。
そんなこんなで話をしていて、そしたら先生がこんなことを言っていた。
「おまえは、もうこの話を受けるつもりなのか?他の学校から話が回ってくれば、
おまえのことだから悩むんだろ」ってね。
なんかドキっとしちゃった。
「おまえのことだからまた悩むんだろ」ってこの一言にね。
T中先生はウチのこと人一倍理解してくれてるのは分かってたけど、
なんだろう、たまにグッと来ちゃう時があるんだよね。
思わず惚れてしまいそうだったわ。
最近、メールでしかやりとりしてなくて、直接顔合わせて
話をすることもなかったから、電話だけでも声が聞けて、話が出来て、
少し恐怖心みたいなのが和らいだ。ホント若干だけどね。
最後に先生からは「まあ、落ち着かないと思うけど学校からの連絡を待ってて」と
言われてたんだけど、そのちょっとしてからまた電話が掛かってきた。
今度は見知らぬ携帯番号から。
こんな時期だから、怪しんで出ないなんてことはしちゃいけないと思って
試しに出てみたら、教頭先生からだった。
こんな早い段階で連絡をくれるだなんて思いもしなかったからビックリ。
どういう授業を任せるつもりなのかということと、面接の日時について。
面接は早くも明後日になった。時間は16時半頃。
T中先生にも確認を取ったからたぶんその通りだと思うんだけど、
履歴書を見て、「無いわ」と思ったらまず面接試験は無かったと。
所謂1次の書類選考は受かったみたい。少しほっとした。
だけど肝心なのは明後日の面接。
当たり前だけど緊張すると思う。そんでもってこれまで以上にオエってなると思う。
確かポジションとしては常勤講師だったと思う。非常勤では無かったはず。
たとえ非常勤だったとしても、母校で働くことを人一倍望んでいたんだから、
うまくしゃべれなくても、その誠意だけはしっかり伝えたい。